いま、なぜ“外国人スタッフとの共生”を学ぶのか?
こんにちは。 この連載では、介護施設において外国人スタッフと協働する日本人スタッフの皆さんに向けて、「文化の違い」をどう受け止め、どう理解し、どう乗り越えていくか──そのために必要な視点や工夫を、eラーニングという仕組みとともに提案していきます。
第1回は、「そもそも、なぜ“共生”を学ぶ必要があるのか?」という、本質的な問いから始めてみましょう。
現場の声に耳を傾けてみると……
- 「何度教えても同じ間違いを繰り返すのは、やる気がないから?」
- 「『わかりました』って言ってたのに、なんでやってないの?」
- 「文化の違いって言われても、こっちが遠慮しなきゃいけないの?」
介護施設で外国人スタッフと関わるなかで、こうした声を耳にすることは少なくありません。 けれど、その多くは“能力”や“人柄”の問題ではなく、「文化的な背景の違い」や「仕事観の違い」によって生じるすれ違いなのです。
例えば── 指示に対して「はい」と返事をしても、本当は理解できていなかった。 遅刻や無断欠勤が、文化的な感覚では“それほど大ごと”ではないと思っていた。 上司に対して意見を言うことが“失礼”に当たると思い、黙っていた。
こうした価値観の違いに、私たち日本人が気づかずに「常識」で判断してしまうと、摩擦や不信感が生まれてしまいます。
支援は「来た側」だけでいいのか?
技能実習生や特定技能制度、留学生など、さまざまな制度を通じて来日している外国人介護スタッフたちは、来日前から語学研修を受け、日本でのマナーや介護技術を学んでいます。 来日後も、実習先の施設でOJTを受けながら、日々、日本語の壁と格闘しながら働いています。
しかし── その一方で、「迎える側」である私たち日本人スタッフは、何を学んできたでしょうか?
・外国人スタッフの文化や宗教的背景について学ぶ機会 ・言語の壁を補う伝え方の工夫 ・異文化間の誤解を防ぐコミュニケーションの取り方
──そうした教育や研修を受ける機会は、ほとんどの施設で整備されていないのが現状です。
共生は「慣れること」ではなく「学ぶこと」
外国人スタッフとの関わりに慣れること── それは自然なことですが、「慣れ」で摩擦が減るとは限りません。
たとえば、 ・「あの人はそういう性格だから」と放置する ・誤解や失敗を「仕方ない」と目をつむる ・伝わっていないのに、「言ったつもり」で済ませてしまう
こうした状態が続けば、お互いに「わかり合えない」という前提が生まれ、チームとしての一体感が損なわれていきます。
だからこそ、「共生」は“慣れ”ではなく“学び”なのです。 私たちが文化の違いを知り、その前提をもって働くことで、外国人スタッフも「理解されている」と感じ、より安心して力を発揮できるようになります。
“外国人がいる職場”ではなく、“多様な人が働く職場”へ
私たちはつい、「日本人」と「外国人」という対立軸で物事を捉えてしまいがちです。 けれど本来、職場には年齢や性別、キャリア、価値観など、さまざまな違いが共存しています。
「外国人がいるから、特別な配慮が必要」と考えるのではなく、 「誰もが安心して働けるために、違いを理解する」という視点こそが、 “共生”の出発点になるのです。
eラーニングだからこそ、“現場で学べる”共生教育に
とはいえ、現場は日々忙しく、ゆっくり学ぶ時間はなかなか取れません。 だからこそ、**「すき間時間」で学べる」「記録に残せる」「繰り返し学べる」**eラーニングの仕組みが、外国人スタッフとの共生教育に向いています。
- 文化の違いを図解や事例で学べる
- よくある誤解をクイズ形式で確認できる
- 実際の現場の会話や対応場面を動画で視聴できる
- 各人の進捗や理解度を記録できる
教育は、仕組み化してこそ「続けられる学び」になります。
“受け入れる力”が、組織の強さをつくる
介護の仕事は、信頼関係の上に成り立つ仕事です。 それは、利用者との関係に限らず、スタッフ同士の関係も同じ。
外国人スタッフとの信頼関係を築くには、相手を変えるのではなく、自分たちが「相手を理解しようとする姿勢」をもつことが第一歩です。 その積み重ねが、現場全体の雰囲気を変え、離職の防止やチーム力の向上にもつながっていきます。
次回(第2回)は、外国人スタッフと働くうえで最も大きな壁のひとつである「言葉の問題」をテーマに、 「言葉が通じないこと」をどう受け止め、どう対応していくべきかを掘り下げていきます。
