教育の仕組み化を導入する際に気をつけたいこと

8回にわたる連載で、OJTとeラーニングの役割や教育の仕組み化についてお話してきましたが、
実際にこれを導入・定着させるには、いくつかの注意点があります。
番外編では、「うまくいく施設」と「形だけで止まってしまう施設」の違いに焦点を当ててみます。

教育担当者だけに任せきりにしない

よくある失敗のひとつが、教育の仕組みづくりを「担当者の仕事」として丸投げしてしまうケースです。
教育は組織全体の文化であり、経営者・現場管理者が自分ごととして関わることが不可欠です。

導入後も、「使われているか」「効果が出ているか」を定期的に見直す体制を整えましょう。

「とにかく導入すればOK」という発想は危険

eラーニングや動画教材は便利な反面、流すだけになってしまうと学習効果は激減します。
動画を見せて終わりではなく、

  • 振り返りの時間を設ける
  • テストで理解を確認する
  • 現場での活用と結びつける

といった仕組みをセットで設計することが重要です。

動画の「質」と「長さ」に気をつける

動画教材を導入する際、長すぎる、専門用語が多すぎる、場面が現場に合っていないといった理由で、
受講者の集中力が続かないことがあります。

「1本あたり5~7分程度」「場面に応じて細かく分ける」「日常に即した例で構成する」など、
視聴者目線での設計が効果を左右します。

テストや記録を「チェックのため」にしない

確認テストや視聴履歴を「ちゃんとやってるか確認する道具」として使ってしまうと、

学習そのものが“評価”や“監視”のような印象を与えてしまいます。

本来の目的は、理解度を知ることと、振り返りの材料にすることです。
管理側の使い方にも配慮が必要です。

「慣れていない人」こそ丁寧に巻き込む

ITツールやeラーニングに慣れていない職員がいる場合、
「使えない人がいるから、やめよう」と考えるのではなく、
操作サポートや導入支援を含めた伴走が大切です。

最初の導入段階で「誰かに聞ける」「一緒に試せる」環境をつくれば、
抵抗感もぐっと下がります。

仕組みを活かすのは、の関わり

eラーニングはあくまで“道具”です。
最終的に学びを支えるのは、現場での声かけや振り返りの時間、共に成長する文化です。

仕組みを用意したうえで、それを活かす風土を育てていくことが、
「人が育ち、残る」組織への鍵になります。

OJTをより効果的に活かすためには、準備された知識の土台が欠かせません。


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