続けるための仕組み──カスハラ対策研修を定着させる

こんにちは。いよいよこの連載も最終回となりました。

今回は、カスハラ研修を“やりっぱなし”で終わらせないための、「続けられる仕組みづくり」について考えていきます。

一時的な啓発では、現場は変わらない

「カスハラに関する理解を深めましょう」
「相談しやすい職場づくりをめざしましょう」

どれも大切なメッセージです。しかし、それが年1回の研修で語られて終わってしまえば、現場に定着することはありません。
問題は、“気づいたあと”の変化が生まれているかです。

  • 翌日から何が変わったのか
  • 1ヶ月後にも意識が続いているのか
  • 新人や中途の職員にも、同じ水準の教育が届いているか

ここまで踏み込んでこそ、“研修をやった”ではなく、“学びが根づいた”と言えるのです。

定着には、「設計」と「仕組み」が必要

では、どうすれば研修が継続され、定着していくのでしょうか?

そのために必要なのが、

1.年間の教育計画として設計されていること 
2.履歴や記録を活かした改善ができること
3.現場との双方向の循環(往還)があること

この3つです。

年間研修計画──「点」ではなく「線」で学ぶ

多くの施設では、法定研修や外部講師による単発研修が行われていますが、

それらが体系的に「いつ」「誰に」「どの順で」必要なのか、計画されていないケースも少なくありません。

たとえば──

  • 新人向けには「カスハラの基礎知識」
  • 中堅職員には「相談対応や記録のポイント」
  • 管理者には「組織的な初期対応と対応記録の仕組み」

といったように、職位や経験に応じたテーマが段階的に組まれていれば、学びがとして続いていきます。

これを可能にするのが、「年間研修計画」の存在です。

研修ログ──教育の“見える化”が定着を促す

もうひとつのカギは、「研修ログ=受講履歴の記録と活用」です。

  • いつ誰がどの研修を受講したか
  • 理解度テストの結果はどうだったか
  • どこでつまずきが多かったか
  • 教育担当者によるフィードバック履歴はあるか

こうした情報を蓄積していけば、研修のやりっぱなしを防ぎ、継続的な改善が可能になります。

加えて、施設内での情報共有にもつながり、
「この内容は全職員が受けているから共通認識にできる」
という安心感も育まれます。

現場との往還──「やらされる研修」から「考える研修」へ

教育が一方通行になってしまうと、職員は研修を「受けさせられるもの」と感じてしまいます。

そうではなく、現場で得た経験を持ち寄り、研修で意味づけ・再構成するという“往還的な設計”が不可欠です。

例えば:

  • 月例ミーティングで実際のカスハラ事例を共有
  • その後、eラーニング教材の「対応編」モジュールを受講
  • 振り返りワークで「今回の対応をどう改善できたか」を考察

こうした循環があれば、学びが現場に根づく速度も深さも変わってきます。

継続できる体制とは、「管理が楽になる」体制でもある

「継続」と聞くと、負担が増えるように感じるかもしれませんが、
むしろ逆です。
仕組み化によって、“楽に続けられる状態”をつくることができます。

  • 研修教材が自動更新される
  • 受講者ごとの進捗が自動集計される
  • 年度更新で自動リマインドが出る
  • 理解度チェックも標準化されている

こうした体制が整えば、「あとは実行するだけ」という状態になり、
属人的になりがちな教育の継続が、安定した組織運営の一部になります。

eラーニングは「続ける教育」を支える仕組み

ここで、eラーニングの力が本領を発揮します。

  • 教育内容をいつでもどこでも受けられる
  • 途中から入職したスタッフもすぐに受講できる
  • 教材の更新が自動的に反映される
  • 管理画面で受講状況が一目で確認できる

つまり、eラーニングは「続けること」を無理なく実現する、
持続可能な教育インフラなのです。

定着のカギは、「教育の設計者」を支えること

そしてもうひとつ重要なのは、教育設計を担う管理者・担当者への支援です。

  • 「何をどこまで教えればいいのか」
  • 「誰にどのタイミングで受けさせるか」
  • 「研修後のフォローはどうすればよいか」

こうした悩みに対して、テンプレート・自動設計・記録管理ツールを提供できれば、
研修は“特別なイベント”ではなく、“日常の一部”として根づいていきます。

🔸まとめ──カスハラ研修を“習慣”にするために

  • 単発の啓発ではなく、年間計画で継続的に設計する
  • 教育の記録と結果を残す研修ログを活用する
  • 現場と教育をつなぐ往還的な仕組みをつくる
  • そして、それらを無理なく続けられるようeラーニングで仕組み化する

これこそが、カスハラ対策研修を組織の習慣にする道筋です。

🔸ご相談・導入はこちら

「カスハラ研修が“その場限り”で終わってしまう…」
「現場と連動する教育体制を整えたい」
そんなお悩みがある方は、Smart Learn SDの「仕組み化された研修設計」をご覧ください。

👉 継続できるカスハラ対策研修体制のご相談はこちら