教育は“現場の工夫”から“施設の文化”へ
「育成は誰が担当するのか」
「誰が何を教えるか、毎回曖昧になってしまう」
「上司によって言うことが違うので、新人が混乱する」
こんな状況が繰り返されていませんか?
それはつまり、育成が“個人の経験や裁量”に任されていて、施設全体の文化として根づいていないということ。
職員が定着し、育つ施設になるためには、 教育を“しくみ”として整えるだけでなく、“価値観”として共有することが必要です。
「教えるのは現場任せ」では変わらない
「新人は現場の先輩に任せているから大丈夫」
「うちには優秀なリーダーがいるから」
――それが育成のボトルネックになっているかもしれません。
どんなに優れたスタッフがいても、その人が異動や退職をしたら、育成はゼロから再出発。
だからこそ必要なのは、施設全体として“育成に取り組む文化”をつくることなのです。
「育てる人を育てる」視点を持つ
新人教育だけでなく、「教える側のスキルアップ」も育成の一部と考えましょう。
指導役になる中堅スタッフに対して、
- OJTの基本的な進め方
- フィードバックの方法
- 困ったときの対応例
などを、動画やeラーニングで“ティーチング研修”として提供することで、 教える側が自信を持って指導できる土台ができます。
これにより、「教えられずに困る上司」と「育てられずに迷う新人」のギャップが埋まっていきます。
上司が“育成に関心を持つ”ことが第一歩
施設全体で育成文化を根づかせるには、経営層やリーダーが「育成に関心がある姿勢」を見せることが不可欠です。
たとえば…
- 「今月、何人が動画研修を終えたか確認している」
- 「育成の進捗を月例会議で共有する」
- 「ミスや失敗も“学びの機会”として扱う」
こうした姿勢が、現場に伝わります。
そして、「この施設は本気で育てようとしている」というメッセージが、
新人にもベテランにも安心感とやる気を生み出すのです。
「育成できる施設」が選ばれる時代へ
人手不足のいま、求職者は職場を選ぶ目がよりシビアになっています。
給与や待遇だけでなく、「ちゃんと教えてもらえるか?」が判断材料になります。
つまり、教育体制が整っている施設は、それだけで“選ばれる施設”になるということ。
施設の文化として、「人を育てる」ことを全員が当たり前に意識している。
そんな組織こそ、これからの時代に必要とされる介護施設の姿です。
次回(最終回)は、ここまでのまとめとして、
「教育を経営に組み込む」ことの意味と、eラーニングを活用した持続可能な育成体制の完成形をご紹介します。
ぜひ最後までお付き合いください。
「育てる文化」がある職場は、定着率も満足度も変わります。
SmartlearnSDは、教える人も育てる“しくみ”で応援します。