時間がない、資料がない──研修担当の悩み
こんにちは。前回は、研修が形骸化してしまう原因と、それをどうeラーニングで解決していくかをお伝えしました。 今回は、少し視点を変えて、実際に研修を担う「教育担当者」の立場に立って考えてみたいと思います。
誰が教育を“担っている”のか?
「うちの研修は、主任さんが資料を作って話してくれています」 「教育係がマニュアルをまとめてくれました」 「新人指導のときに、先輩職員が口頭で説明しています」
このように、施設によって担当者の形はさまざまです。 しかし共通しているのは、「専門的な教育担当部署」が存在しないこと。
つまり、現場の業務をこなしながら、“ついでに教育も”を背負っている人が多いのです。
三重苦──教材がない、時間がない、確かめられない
多くの教育担当者が直面しているのは、次の3つの苦しみです。
1.教材がない
→ カスハラに関する研修資料をゼロから作るのは大変。
ネットで情報を探しても、自施設の状況に合ったものがない。
2.時間がない
→ 日中は業務に追われ、夜間や休日に資料を作る。
実施の調整や、シフト調整、開催通知もすべて一人で。
3.確かめられない
→ 受講者が本当に理解できているか、確認する手段がない。
出席だけで「受講済」にしてよいのか不安。
こうした状況では、研修の質も担当者のモチベーションも、 どちらも長続きしません。
“頼まれ役”から“設計者”へ
教育を担うということは、本来、とても専門的な役割です。 でも、実際はこうです。
- 「頼めそうな人にお願いした」
- 「長くいるから、担当してもらっている」
- 「これまでもやっていたから、引き継いだ」
これでは、教育は“属人的な善意”でまわるしかなくなります。 「時間がない」と言いながら、担当者は結局、 「一人でなんとかするしかない」と背負い込んでしまうのです。
研修担当者を“支える仕組み”はあるか?
ここで改めて問い直す必要があります。
- 担当者に、教材づくりを任せきりにしていないか?
- 教育のPDCAを回す体制はあるか?
- 管理職や経営側が、教育の重みを共有しているか?
- 担当者の「これ以上は無理です」というサインを拾えているか?
研修担当者は、“現場と組織をつなぐ要”です。
その人を孤立させてしまえば、教育の仕組みは崩れてしまいます。
eラーニングで「研修担当の負担」を根本から減らす
ここで注目したいのが、eラーニングによる仕組み化です。
それは、ただの教材提供にとどまりません。
研修担当者の“肩代わり”をしてくれる存在にもなり得ます。
例えば──
- 教材のテンプレートがある → ゼロから作らなくて済む。内容の信頼性も担保できる。
- 配信のスケジュールを自動化できる → 実施のたびに個別に調整する必要がない。
- 受講履歴が可視化される → 誰が受講していないかがひと目でわかる。催促の効率もアップ。
- 確認テストやチェックリストが内蔵されている → 担当者が手作業で理解度を測らなくて済む。
これらは、すべて“担当者の業務”を分解して支える仕組みです。
教育の負担が軽くなれば、続けられる
研修担当者にとって、一番の敵は「燃え尽きること」です。
- 「やっても誰も見てくれない」
- 「結局、理解されない」
- 「こんなにがんばっても報われない」
そんな思いが続けば、次第に教育から手を引きたくなります。 だからこそ、教育の負担は軽く、続けやすくすることが重要なのです。
教育を“属人化”させないために
教育担当者が代わっても、同じ水準の研修が行えること。 異動や退職があっても、教育の質が維持されること。
それが本当の“仕組み化された教育”の姿です。
- 教材が標準化されている
- 配信スケジュールがテンプレート化されている
- 理解度確認が自動で行える
- 管理画面で状況を俯瞰できる
こうした仕組みが整っていれば、 誰が担当しても教育が回る体制を築くことができます。
次回予告
次回(第6回)は、 「職員が『相談できる』職場風土とは」をテーマにお届けします。
カスハラ被害が起きたとき、職員が“すぐに声を上げられるか”は、職場の空気に大きく左右されます。 “風土”をどう育て、相談できる職場にしていくのか──教育と環境づくりの両面から探っていきます。
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