eラーニング導入に現場が不安を感じたときに伝えたいこと
全8回にわたる本シリーズでは、OJT偏重の限界と、eラーニングを活用した育成の“仕組み化”についてご紹介してきました。
しかし実際に導入を検討すると、現場からこんな声が上がることも少なくありません。
「現場が忙しすぎて、動画を見る時間がない」
これはよくある声です。 でも、実際に導入した施設の多くが、動画を見た時間そのものよりも、「分からないまま現場に立つ不安」が減ったことを高く評価しています。
時間がないからこそ、「教え直しの手間」や「現場での説明の重複」を減らすために、あらかじめ短時間で基礎を伝える手段が必要なのです。
動画は1本5〜10分程度に分割し、すき間時間での視聴が可能。
夜勤明けや業務の合間、自宅でも取り組めるように設計すれば、定着率は高まります。
「動画を見せただけで、本当に理解してるのか不安」
当然ながら、見るだけでは“学習”とは言えません。 そこで大切なのが、確認テストやチェックリストです。
- ○×/三択テストによる“理解の見える化”
- 学習記録による進捗の把握
- 現場OJTと連動させた“実践フィードバック”
この3点をセットにすることで、「学んだ内容が行動に反映されているか」まで追える仕組みが整います。
「わかったつもり」「やったつもり」にならないためには、“復習と実践”の往復が大切なのです。
「ベテランには必要ないのでは?」
この問いに対しては、次のようにお伝えください。
「動画は、新人のためだけではありません」
ベテランの方でも、以下のような効果があります。
- 指導内容の確認(言語化・標準化)
- 曖昧な知識や習慣の見直し
- 若手との“共通言語”の確立
- 指導者研修の補完教材としての活用
ベテランにこそ「自分の経験を再構築し、伝えられるようになる機会」が必要なのです。
むしろ動画を見ることで、「こういう順序で教えるといいのか」と納得されることが多いのです。
「eラーニングって、どのくらい効果があるの?」
数値化しづらいとされる教育の効果ですが、以下のような項目を設定すれば可視化できます。
- 学習完了率
- テストの平均正答率
- 離職率の変化(導入前後の比較)
- 指導者の負担感(アンケート調査)
- 利用者満足度・事故報告数の変化
ポイントは、「教育の成果は“現場の変化”に表れる」という意識でデータを拾っていくことです。
教育に“答え”はなくても、“方向性”はある
介護の現場は常に忙しく、完璧な研修体制を作るのは簡単ではありません。
しかし、「誰もが迷わず育つ仕組みを用意しよう」という意思があるかどうかで、職場の未来は変わります。
eラーニングは万能ではありません。
でも、それを“教育の入口”として、現場の育成負担を減らし、共通の知識基盤をつくる役割は確かに担っています。
教育は、誰かひとりが頑張るものではなく、施設全体で“回る”ものにすること。
そのための仕組みづくりを、今日から一歩ずつ始めていきましょう。
「うちでは難しいかも…」と思った方にこそ、届けたいしくみがあります。
SmartlearnSDは、忙しい現場でもムリなく導入できる教育支援ツールです。